24歳の女性は、高校生の頃から蕁麻疹に悩まされていました。皮膚科の薬が効かず、ステロイドの内服剤を短期間服用して、しのいでいました。夕方になると体温が37度ほどになり、痒さに毎日苦しんでいました。買い物袋を手にかけて帰ると、ミミズ腫れになり、それが全身に広がって赤い隆起がくっついてきます。風呂に入ると一気に発症し、皮膚が真っ赤に腫れ上がって、気が狂いそうになるくらい痒くなります。手足は冷えますが、暑がりで、唇は乾燥してひび割れて、水分は2ℓ以上飲みます。

仕事の忙さでストレスがたまり、気滞(きたい)のせいで熱を持ったと考え、「茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)」を服用してもらうと、3カ月後、毎日出ていた蕁麻疹が3分の2に減ったと喜んでいました。さらに熱を冷ますために「黄連(おうれん)」「黄苓(おうごん)」「黄柏(おうばく)」を加えると、さらに減り、7月に入ってから「四物湯(しもつとう)」を加えると、まだ1日しか出ていないと喜んでいます。

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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。